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月の融点
hasumikan.exblog.jp
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:投稿歌( 75 )
081:硝子
2007年05月17日
曇天に八重のさくらの重たくて濁りはじめるわが硝子体
080:響
2007年05月17日
色彩、それは少女であった日の『田園交響楽』の数行
079:芽(久野はすみ)
2007年05月12日
青い芽を内に隠して少年は冬の球根 両手に包む
078:予想 (久野はすみ)
2006年12月01日
しんぞうがこどくこどくと鳴る夜は予想を超える獏の群れがくる
077:針(久野はすみ)
2006年12月01日
眼の奥に針葉樹林をもつひとの雨になろうか、陽になれぬなら
076:あくび(久野はすみ)
2006年12月01日
あくびなみだあくびなみだそんなふうに日暮れてみたし 恋を封じて
075:打(久野はすみ)
2006年12月01日
うまれてはきえるあぶくのうたのためBackspace keyの連打を
074:水晶(久野はすみ)
2006年11月01日
みがかれるまえの紫水晶が語るこの世はすべて石ころ
073:トランプ(久野はすみ)
2006年11月01日
マジシャンの手さばきよりも美しい嘘をつくのかこのトランプは
072:箱(久野はすみ)
2006年10月31日
あとあじのわるい言葉をつめこんで重箱にしておかえしします
071:老人(久野はすみ)
2006年10月31日
アロハシャツにひらく花たち老人は亀仙人のように笑った
070:章(久野はすみ)
2006年10月31日
第二章 しばらくぶりに読み返すロマンスのため熱い紅茶を
069:カフェ(久野はすみ)
2006年10月31日
こまどりの止まり木として大正の香りを残すカフェの階段
068:報(久野はすみ)
2006年10月31日
ミスロスの報告書から浮かび来る古い冷たい文字のかたまり
067:事務(久野はすみ)
2006年10月31日
事務服の襟もと少しほころびてしろがねのハンガーの細さよ
066:ふたり(久野はすみ)
2006年10月31日
明けきればひとりひとりになる朝もふたりしずかな川をわたって
065:鳴(久野はすみ)
2006年10月31日
鳴かぬならなかせてみようと再起動、いやもうほんと泣きたくなって
064:百合(久野はすみ)
2006年10月31日
わたくしがいまだしらざるものとして野菜売り場にころがる百合根
063:オペラ(久野はすみ)
2006年10月31日
漆黒の幕を下ろして夜は来るソープオペラの哄笑のなか
062:竹(久野はすみ)
2006年10月31日
さえざえと人を裏切る そのむかし竹に生まれてきたのだったか
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久野はすみの題詠100首blog
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